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助産師しおん先生のメッセージ vol.9 帝王切開の傷、心の傷

出産前のお母さんへ
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助産師しおんです。

私の助産院の教室にはたくさんの妊婦さんが来てくださいます。

先日お見えになった妊婦さんですが印象的でした。

その方は、教室冒頭の自己紹介の時に
「上の子は帝王切開のお産だったので、すごく申し訳なかったと思います」
とお話しくださいました。

誰に対して申しわけないのかな? というのが最初に感じた事。
赤ちゃん? 身近な家族? きっと、誰もせめてないと思うし
むしろご家族は、
命がけでかわいい赤ちゃん産んで下さって感謝していることでしょう。

特にお産の時の赤ちゃんは お母さんに会うこと、
その腕に抱っこされることを望んでいると思います。

どこを通って出てきたかは、赤ちゃんは気にしてない。

それに、お産は一人でするものではなく、
お産は赤ちゃんものでもあり、 赤ちゃんとともに行うことです。

だからお母さんが自分のお産を否定したら、
赤ちゃんの頑張りも否定していることと同じではないかと思います。

自分が赤ちゃんだったら悲しい気持ちになっちゃうかもしれません。

私自身3人姉弟で、私以外は帝王切開でしたが、
彼らはそのことを全く気にすることはなく、
きょうだい間で経膣か帝王切開かで優劣を競ったこともありません。

私の上に死産し会えなかった兄がいるので、
むしろ生きてこの世に送り出してくれたことに感謝しています。

また、中には最後までがんばれなかった自分が悲しいと、
お産を受け入れられない方もいます。

助産師は産まれる力を信じ、産む力を引き出すことを大切に考えています。

お産が正常に進むように、環境の調整や体・メンタルのケアを行いながら、
お産を見守っています。

でも、赤ちゃんが命の危機のサインを出したり、
お母さんの状態がこのまま頑張らせては危険であると判断したら、
母子の安全を優先します。

医療者は、お母さんががんばれなかったから
帝王切開を選択したのではなく、
赤ちゃんとお母さんが命の危険にあったから、
お産を速やかに終了し救命するために医療介入したのです。

お産直後でお母さんの気持ちがデリケートな時期に、
心無い言葉に傷つく方もいらっしゃいます。

「手術になって残念だったね。」とか。
大半は言った人もいじわるで傷つけてやろうという悪意はなく、
無神経でデリカシーにかける配慮不足の場面であることが多いようです。

でもそんな人には、
「これお母さんの横で赤ちゃんも聞いてるよー。
言われた赤ちゃんも傷つくよー。」って言ってやりたい。

なかでも実母や義母など、ともに赤ちゃんを育てていく
関係の近い頼りにしている人の言葉の方が傷つくようです。

家族にもいえない。
家族だから言えない。

お腹の傷は見えるがゆえに、心の傷と重ねてしまい辛くなる。

育児は自分ではない他人を相手にしているので、
思い通りにいかないことの連続

納得できないお産で心に傷を作った方は、
自信をさらに無くして落ち込んでしまう場面にも何度も遭遇しました。

だから、ぜひ溜めないで

ぜひそんな時は、助産師にもやもやした思いを話して、
吐き出して泣いてください。

産んだ病院の助産師でもいいし、
新生児訪問に来た助産師でもいいです。

しおんも新生児訪問で、お母さんと泣いたこともあります。

助産師さんいつも忙しそうだからと、
遠慮はしないでくださいね。

経膣分娩でも帝王切開でも、
女性は自分のからだを10センチ開いて赤ちゃんを産みだします

だから助産師しおんは、帝王切開は「お産だ」と言い切れます。
そして、自信を持って言えます。

お腹の傷は、あなたと赤ちゃんの立派な「産道」だと。

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